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人が心にもつ「思いで」は気持ちや感情にかかわるもので、只の記憶とは違います。「思いで」は少しずつ変化していきます。嫌な「思いで」がいつの間にか甘酸っぱいものに変わっていたり、何気ない記憶が大切な「思いで」になったりすることもあるでしょう。しかし「思いで」は変化しても「思いで」の中身は決して失われることはなく永遠に残ります。なぜなら過去の出来事はすでに確定したものだからです。そうすると「思いで」とはその中身は確定されているのに揺らぐという不思議なものかもしれません。

私が徳島を初めて訪れたのは数年前で、光のまぶしい新緑の時でした。その時にそこに注ぐ光にゆったりとした安らぎを感じたことも、鳴門の海にできる渦にこれまでに見たことのなかった海を見てこころから恐ろしさを感じたことも揺らぎつつ消えることのない「思いで」です。このような「思いで」を抱くことのできる場所にはなかなか出会えないものです。なので、私は徳島には特別な気持ちを抱いています。そしてこの「思いで」は徳島LEDアートフェスティバル2016に参加することでどのように変化するのかを楽しみにしています。

この作品は光の指向性を刻々と変化させることで、その影もパースペクティヴや大きさや濃さを変えて刻々と変容していくものです。しかし、その影は消えてしまうのではなくまた同じ位置に戻ってくるのです。

展示期間:12月16日[金]-12月25日[日] 18:00〜22:00
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作家:森本加弥乃

1961年 東京生まれ
1985年 東京造形大学絵画科卒業
2016年 京都嵯峨芸術大学大学院造形絵画分野修了

展覧会歴
2014年 メディアアート作品によるグループ展(ギャラリー睦 千葉市)
2015年 京都現代芸術祭PARASOPHIA関連展「未来と記憶のCROSSROAD」(堀川商店街空き店舗 京都)
2015年 日韓現代美術の今について(シェマ美術館・韓国清洲)
2016年 個展《INSIDE/OUTSIDE》(Galerie16 京都)
2016年 木津川アート/11月(京都府木津川市)

思いで