2016 ARCHIVES
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呼応する球体のゆらめく川
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リバーサイドクリスタルツリー
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城跡の山の呼応する森
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Flowers in the Sandfall – Tokushima
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街の灯り
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MICRO
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Awa Odori 3000
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UZU – 渦
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グラデーションズ 「パノラマ」
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光のなる木
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TAIL OF LIGHT
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アワオトリ
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うつろう月(utsurou tsuki)
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flow grow
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Color-Communication: Imagination Wall
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あばばい番犬・ABA BAN KEN
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霞鈴 -Karin-
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思いで
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Nature Pattern
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箱のなか
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Analog passage Tokushima
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夜の植物
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Fly me to the moon
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Floral illumination
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白景 -天女-
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蝶の孵化(ふか)
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AWA踊り
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蓮 -Ren-
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連なる渦
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星の雨
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DIY! 紙でつくるLEDディスプレイ
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文化を伝承する藍の落水/春日橋
呼応する球体のゆらめく川
川の水面にただよう光の球体は、川の流れにゆらめきながら、それぞれ自律している。そして、まるでゆっくりと呼吸しているかのように、強く輝いたり消えたりを繰り返す。
球体は、人が叩いたり何かにぶつかったりして衝撃を受けると、色を変化させ、色特有の音色を響かせる。そして、そのまわりの球体も呼応し、同じ色に変化し音色を響かせる。そして次々にまわりの球体も連続的に呼応していく。
リバーサイドクリスタルツリー
LEDを三次元上に配置することによって、三次元の動く立体物をリアルタイムに映し出すことが可能な「インタラクティブ4Dビジョン」という独自の技術を用いた、立体のツリー。
鑑賞者がスマートフォンを通じてオーナメントを選択し、ツリーに向かって投げると、選んだオーナメントが巨大な光の立体物となって、ツリーを飾り付けます。また、設置されたタブレットに触って、実際のツリーを立体的に動かすことができます。
城跡の山の呼応する森
木々の光は、それぞれ自律しており、ゆっくりと呼吸するかのように強く輝いたり消えたりを繰り返す。
木は、人や動物が近くを通ると、光の色を変化させ、色特有の音色を響かせる。そして、その近隣の木も呼応し、同じ光の色に変化し音色を響かせる。そして次々まわりの木々も連続して呼応していく。木の光は、やがて、山の木々に伝播し、山も呼応していく。
向こうの方から光が押し寄せてくれば、向こうに人がいることを意味する。山から光が押し寄せてくれば、それは、山に動物がいることを意味する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々や森の動物達の存在を普段より意識するだろう。
Flowers in the Sandfall – Tokushima
徳島に咲く花々が月ごとに変化し、一年を通して一年間の徳島の花々が咲いては散り、変化していく。花は生まれ、成長し、つぼみをつけ、花を咲かせ、やがて散り、枯れて死んでいく。つまり、花は誕生と死滅を、永遠と繰り返し続ける。
流れ落ちる砂の前に人が立つと、砂はその人がつくる存在感に衝突し、砂が割れていく。古代から、人々は、落下していく砂を見て、短い時間の概念を知り、そして、花々の変化で、長い時間の移り変わりを感じてきた。
作品はコンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、鑑賞者のふるまいの影響を受けながら、変容し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。
街の灯り
何が「街」をつくっているのでしょうか。様々な建物の形をしたオブジェがたくさん重なり合っています。街と聞くと、ひしめき合っている建物のイメージがまず浮かぶと思います。でも、建物だけでは「街」にはならないような気がします。様々な建物やその中に暮らす人々、それぞれの時間が何重にも重なり、街をつくっていきます。
そして、その中には人の人生があり、在り方があります。人生と同じように、街にはいい部分もそうでない部分もあると思います。出来ればそれぞれが、尊重し合い、穏やかにそれぞれの光を放っていて欲しいと思います。街の、人の、在り方、時間、そこで汗を流し、存在するものが柔らかい光で揺らめく作品としました。
MICRO
MICRO は私たちの身体と心の中にある極小の宇宙を探求する作品です。MICROのストリング(1−5個の球体がセットになっているもの)をそれぞれ商店街の天井から吊るしており、200個ある大、中、小の3種類の球体は、人が触れることでそれぞれ独自の光と音が出る仕組みになっています。観客が球体に触れながら歩き、飛び跳ね、踊ることで、音と光のつながりを作り上げていく相互作用をもったインタラクティブアートです。徳島市のシンボルとしての”商店街”の魅力を高め、日常に使われる”商店街”の概念を変容させる要素をもった作品です。
Awa Odori 3000
ラウドスピーカー、光センサー、LED照明、受信装置を取り付けた踊り浴衣に身を包んだ、阿波おどりの踊り子たちのモバイル・マルチメディア・パフォーマンス。無線受信機を通じて「ぞめき」が鳴り響き、着用可能なLED照明(音を光に変換するセンサを利用)が、音に反応して浴衣を発光させます。
UZU – 渦
宇宙の銀河をはじめ、地球における台風・ハリケーン、竜巻、鳴門海峡の渦潮にいたるまで、「渦」は天地の力強さを象徴する現象です。
日常に押し流され、自然と隔絶しがちな現代に、私達は抽象的な光の「渦」を制作します。
人々は、闇にきらきらと瞬く「渦」と関わりながら、天地の偉大さや、自らの自然との関係をより強く認識することができます。
グラデーションズ 「パノラマ」
作品の入口に立つと、空間の奥から光が見えます。その中へと進むと、弧を描いた細長い通路があり、さらにその奥に円形の空間が広がっています。LED照明と映像ディスプレイが設置され、徳島の海や空を映し出します。日の出から日の入りまで、雲の形、空の色が刻一刻と変化していき、空の色に合わせてLED照明も変化します。LED照明は、天井と地面に設置され、その2つが変化することで、空間にグラデーションを生み出します。空間の曲面が、光を美しく反射し空間全体を照らします。空の変化のようにゆっくりと調光するため4096段階のコントローラーを開発しました。映像と照明というメディアが混ざり合うことで、日常の中にある美や体験を再現します。
光のなる木
光のなる木
ゆらゆら 風に 揺れる枝
その先にある 光の玉は
息をするように 光を灯す
かざした手には 光が集まり
手のひらに 色を重ねる
TAIL OF LIGHT
光りの軌跡を水面に描写することを目的とした、自己発光する新しいデジタル生命体の想像。無数の極細光ファイバーからなる光る尾をなびかせ、呼吸のような有機的なリズムで発光を繰り返し水面を縦横無尽に泳ぎ回ります。
膨大な数の光ファイバーが面となり独特のリズムで水面を漂う様はまるで発光する巨大なベタ(熱帯魚)のような有機生命体を彷彿とさせます。
アワオトリ
まちに生息する生物の特色を作品にすることによって地域を表現する。
徳島市は県の中心部でありながら、山、海、川などの自然があり、風光明媚な町である。町中にもかかわらず自然が身近にある全国的に珍しい地域である。その中でも野鳥が多いことが特色の一つである。特に吉野川河口にはシギなどの渡り鳥やカワウ、眉山には、イカル、ツグミ、サシバなど、町中である城山では原生林が残っていることから、アオサギやカワセミなど数多くの野鳥が見られる。これらのさまざまな野鳥にとって、徳島市はとても住みよい環境であり、自然とまちの調和が取れていることを表している。そして徳島の産業がさらに世界に羽ばたくよう願いを込めて、町に集まる野鳥の羽を光で表現する。
協力:成島建設株式会社・Bike-T・岩壁和孝・一般社団法人ファブデザインアソシエーション
うつろう月(utsurou tsuki)
映る、移る、写るとも表わせる“うつろう”をキーワードに、水の都・徳島のうつろいを月をモチーフに表現します。徳島の上空に浮かぶ月に見立てた鉄の文字(月にまつわる歌詞)の球体にLEDを配置。
その月の光を、豊かな水に見立てた藍染めを配した布に「映す」ことで生まれる、“ゆらぐ影”そのものを、徳島の豊かな水の流れや、街の移り変わりの象徴とします。
flow grow
「flow grow」は夜の風に揺れ、静かに光を放つ花を作るプロジェクトです。
「生きる」という変わることのない人の営みの積み重ねによって作られたこの世界。
そして、その世界の中に漂うように過ぎ去っていく人々が膨大な時間軸に内包され、記憶されている証として、多くの人たちによって作られた花”flow grow”は風が吹くたび、人々がその間を歩くたびに揺れ、光を放ちます。
また外部電源に頼らない発電・蓄電モジュールを内蔵した本作はあらゆる場所での展開を可能とし、ワークショップとして成立するため簡素化され、組み立てやすくされた機構は多くの人々と共に、今までにない自立型メディアアートとして、新たな景観を作り出します。
Color-Communication: Imagination Wall
作品を考えているときに上の詩が浮かんできました。人と人そして光/色が出会う縁のような作品にしたいと思いこの作品が生まれました。会場に来た人が壁を触るとふわっと光って色が生まれる。 一人が触ったところの色と別のもう一人が触ったところの色が交流して別の新しい色が生まれる。いろいろな人が作品に出会い触ることで、作品の中で変化し新しく繰り返されていく、「生まれ、出会い、とけあい生まれる光/色」。出会うことで人も色/光も広がって見える世界も広がっていく。作品の中で人と人、色と色、人と色が出会うコミュニケーションをする作品にしたいなと考えている。
あばばい番犬・ABA BAN KEN
野良犬なのにナゼかケース(光の玉手箱)の中に入って番犬をすることになってしまった あばばい番犬 – ABABAN KEN
生真面目だけど少しマヌケなツンデレABABAN KEN
極度のストレスのあまり 目からレーザービームのような強い光を放ちはじめる。
人感センサーによってLEDライトの目がヘンテコに光る犬を果たして子どもたちは楽しんでくれるのだろうか。
霞鈴 -Karin-
この作品では、現実世界で起こっている自然のダイナミズムをアクリルケースの中に表現しています。花には美馬郡つるぎ町の町花でもあるスイセンを使い、徳島の実際の天気に基づいて霞と光と音が変化します。
実際の徳島の自然をケースの中に反映した、言わば「小さな徳島」を感じられる作品です。
思いで
人が心にもつ「思いで」は気持ちや感情にかかわるもので、只の記憶とは違います。「思いで」は少しずつ変化していきます。嫌な「思いで」がいつの間にか甘酸っぱいものに変わっていたり、何気ない記憶が大切な「思いで」になったりすることもあるでしょう。しかし「思いで」は変化しても「思いで」の中身は決して失われることはなく永遠に残ります。なぜなら過去の出来事はすでに確定したものだからです。そうすると「思いで」とはその中身は確定されているのに揺らぐという不思議なものかもしれません。
Nature Pattern
竹の彫刻に施されたLEDの発光パターンは,蛍の明滅をイメージした光により自然の美しさを表現している。本作品には,徳島において持続供給可能な自然由来の素材,並びに省電力のLEDが使用されている。熱を感知するサーマルセンサを用いたユーザインタラクションによって,人と自然とのふれあいをカラーパターンの変化で楽しむことができる。
Analog passage Tokushima
古いスプーンやフォーク、捨てられた缶や線材にLEDをつけて、再び光をあててみました。使われた用具はそれぞれの歴史を持ちますが、不要になると捨てられます。それらの「物」に光が加わることで、また新しい役割ができました。
そして、物を支えたり繋げたりすることをなるべく表に出して、この小さな光や影がどうのようにできているかを示すことを作品にしてみました。
夜の植物
植物の葉には葉脈を通じて水分や栄養が供給されています。そのままでは見えない葉脈を標本化することで浮かび上がらせ、蛍光塗料でブルーを基調に光らせました。水の都、植物の水、それらをイメージして作成しました。数種類の形の違う葉、それぞれの魅力を感じてください。
Fly me to the moon
縦8列、横8列に整然と並んだたまごは一見、互いに似ています。しかし、ひとたび明かりをつけると、たまごの内側から照らされるライトによって、美しい姿を見せてくれます。その姿は一つとして同じものはなく、どこか月面を彷彿させる神秘さをたたえています。
音楽提供:Josh McLaughlin
Floral illumination
生花を傷つけないように小型の高輝度LED電球を花弁の隙間から、花床付近に差し込みます。LED電球を点灯すると花弁を透過した光が神秘的に周辺を照らします。自然界とテクノロジーをコラボした間接照明です。花は、徳島の特産物であり11月頃から出荷され始めるチューリップとします。LEDとチューリップが演出する光は、自然とテクノロジーが融合した新しい徳島の光となるでしょう。
白景 -天女-
主題は、阿波の羽衣伝説に出てくる天女…。
素材は、永遠(とわ)の宇宙を感じさせるLEDの光と、徳島県の伝統工芸品である阿波和紙です。和紙は、日本人が、天と大地からの恵みをいただきながらつくり出した素晴らしい素材です。神秘の光を得た和紙の美しさで、天女の麗しき「生命」の眩い煌めきを表現しました。
蝶の孵化(ふか)
蝶が卵から幼虫へ、さらにさなぎから蝶へ面白く変化してゆく様を4人が各パートを受け持ち(卵:萬、幼虫:山端、さなぎ:成田、蝶:四宮)、日中はオブジェの群像としての存在感をもたすとともに、夜間はLEDで流れを創りつつ各パーツを浮かび上がらせ、日中とは違った表情をあらわす作品に仕上げている。
AWA踊り
泡と光の共演によるアート作品です。タイトルのAWAは阿波と泡を連想し,LEDによって照らし出される泡が踊っているように見えることをイメージしました。立てて並べたアクリルパイプの中を水で満たし,底から湧き上がる泡のタイミングをコンピュータによって制御し,フルカラーLEDの光でその泡を照らし出します。パイプを横一列に並べることで,文字なども表現することができます。泡を利用したディスプレイともいえる作品です。
蓮 -Ren-
徳島近郊では初夏になると広大な蓮根畑に美しい蓮華が咲き乱れ、幻想的な光景を目にすることが出来ます。
「Ren」は、この蓮華がもつ神秘的な雰囲気を、工芸(陶芸)の領域を専門にしている研究室のメンバーによって、LEDの光源と磁器の透光性を活かして表現したものです。
連なる渦
徳島を代表するものといえば,さまざまなものがあるが中でも鳴門の渦潮が有名である。 私たちは,今回,渦の様子やいくつかの渦が巻く様子を「連なる渦」と名付け,鳴門の渦を表現できればと考えている。県産材であるスギを使い,大小10本の渦を連ねることで,実際の鳴門海峡の様子に近づけ,さらに藍染めすることで,徳島らしさを強調した。
星の雨
星々から降り注ぐ光は連綿と続く太古の記憶。光の粒に包まれたリズム。天空に瞬く星々の光を再現します。星空を近くに感じ楽しむ装置です。
DIY! 紙でつくるLEDディスプレイ
1つのLEDの光に対し紙を使用し、拡散させ投影することにより手軽に巨大なディスプレイ製作する。1ドットごとに面発光するLEDを再生可能な紙素材に組み込むことにより、環境に配慮しどこにでもDIYで設置でき、自由に形を変えることの可能なLEDディスプレイを開発した。ディスプレイを構成する1ドット構造は、上下左右斜め、それぞれが均等な距離で構成され、基盤配線や積み上げた際の構造に優れ、平面のみならず立体物にも展開可能である。ビルを包むような巨大なスクリーンにしたとしても、消費電力は白熱電球1つ程度またそれ以下に抑えることも可能である。21世紀のデジタルファブリケーションの時代において、世界中の家庭や企業などがプリンターやレーザーカッターを使用して出力し基盤を組み込めば世界最大のディスプレイをつくることも可能。徳島発のエコロジカルでDIYなディスプレイの展開例として徳島大学学生によるMellotron choirマシーンやインタラクティブな映像の発表を行なう。
文化を伝承する藍の落水/春日橋
徳島市では、2014年度から2016年度までの3か年計画で、市内の新町川に架かる「春日橋」のLED景観整備を進めています。LED景観整備作品の採用デザインを選定するにあたり、平成26年7月から約3か月間、デザイン案の募集を行い、審査の結果、Spatial Practiceの「文化を伝承する藍の落水」に決定しました。(2016年12月完成予定)